2017.9.10

ほとけと台座の繋がりを見る。
「ほとけを支えるー蓮華・霊獣・天部・邪鬼ー」展

仏教美術の代表とも言える仏の図像の「台座」に注目した展覧会が根津美術館で開催。仏教を象徴する花としてあげられる蓮華から、象や獅子、雲がほとけを乗せる姿を描いた絵画、彫像が約40点展示される。

釈迦三尊像 絹本着色 日本・南北朝時代 14世紀 根津美術館蔵
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 根津美術館で開催される「ほとけを支えるー蓮華・霊獣・天部・邪鬼ー」展は、仏画に描かれた仏を「支えるもの」という観点から捉えた展覧会。仏が何によって支えられ、何に乗り、あるいは何を踏みつけているのかということは、多種多様な仏の名前や意味を知るヒントとなる。

文殊菩薩像 絹本着色 日本・鎌倉時代 14世紀 根津美術館蔵

 本展では、仏教を象徴する花・蓮華に乗った《釈迦三尊像》をはじめ、白い象にまたがる《普賢菩薩》や、獅子に座る《文殊菩薩》、雲に乗って出現する様子が描かれた《阿弥陀二十五菩薩来迎図》など、様々な台座に乗った仏の姿を見ることができる。さらに、ヒンドゥー教の神々を取り込むことで仏とその台座の種類を飛躍的に増やした密教の美術から、《降三世明王像》や《愛染明王像》といった作品も展示される。

 根津美術館コレクションより選りすぐられた重要文化財・美術品を含む約40件の作品を通し、仏教美術の豊かな世界を改めて知ることができるだろう。

阿弥陀二十五菩薩来迎図 絹本着色 日本・鎌倉時代 14世紀 根津美術館蔵