石田徹也とは何者か
2023年9月12日、ニューヨークのチェルシーにあるガゴシアンギャラリーで石田徹也(1973〜2005)の個展「TETSUYA ISHIDA―My Anxious Self(不安な自分)」が開幕した。ガゴシアンは欧米を中心に世界の都市に複数の支店を持つ世界有数のメガギャラリーとして知られており、13年にガゴシアン香港で、石田の初となる海外個展「Tetsuya Ishida」が開催されて以来、2度目となる。計画は以前より持ち上がっていたが、新型コロナウィルスの影響により延期となっていた。本年は石田徹也が生まれて50年の節目の年にあたり、今回の個展は、10年ぶりの満を持しての旗艦店での開催となった。
この展覧会は、ニューヨークのハイラインアートプログラムのディレクター兼チーフキュレーターで、2022年に第59回ヴェネツィア・ビエンナーレのアーティスティックディレクターを務めた、チェチリア・アレマーニがキュレーションを担当している。また、展覧会にあわせて、先行研究を踏まえた詳細な論文が掲載された図録が刊行され、会期中にはアレマーニがモデレーターとなり、アレクサンドラ・モンロー(ソロモン・R・グッゲンハイム美術館グローバル・アーツ上級キュレーター)と依田富子(ハーバード大学Takashima日本人文学教授)とのトークイベントも開かれるなど、海外でもっとも包括的に石田徹也を紹介する機会となっている。
ここでは、海外での評価が進む画家・石田徹也の現在を理解するために知っておきたいことを5つのポイントから紹介したい。