2016年は、建築家のオスカー・ニーマイヤーが設計したブラジルのニテロイ現代美術館で17年プレ・スプリング・コレクションを発表したルイ・ヴィトン。当時は、美術館のスロープをランウェイに見立てるなど、建築を生かしたショー演出で大きな注目を集めた。そして今年、その白羽の矢が立ったのは、滋賀県にあるMIHO MUSEUMだった。
MIHO MUSEUMは1997年に滋賀県甲賀市に開館。神慈秀明会という宗教団体の開祖・小山美秀子の個人コレクションを展示することを目的に、建設された。
建築を設計したのは、20世紀のアメリカを代表する中国系アメリカ人建築家、イオ・ミン・ペイ(I・M・ペイ)。ワシントン・ナショナルギャラリー東館や、ルーヴル美術館のルーヴル・ピラミッドなどを手がけたことでも知られている。
MIHO MUSEUMは桜並木からステンレスで覆われたトンネルを経るアプローチや、入母屋風のガラス屋根から自然光が降り注ぐエントランスなど、様々な見どころを有する、まさに唯一無二の存在だ。敷地面積は100万2000平米、建築面積は9241平米におよび、建築容積の約80%は地下に埋設され、周囲の自然と同化するような美術館となっている。
同館が開館した97年は、ビルバオのグッゲンハイム美術館などとも重なっており、同館によると「海外の雑誌で紹介されるなど、当初から日本国内よりも海外での認知度が高かった」という。2016年(営業日数200日)は15万9000人の来館者のうち、海外からの来館者は約20%の2万8875人におよぶ。
今回、ルイ・ヴィトンがショーを実施することによって、山深い土地に佇むMIHO MUSEUMの知名度は一気に跳ね上がりそうだ。