横浜・あざみ野の横浜市民ギャラリーあざみ野で、同館の貴重なカメラや写真、文献などのコレクションを公開する「眼の技法 色・空間・動きのイメージ」が開催される。会期は2025年1月25日~2月23日。
横浜は日本における写真発祥の地のひとつとして、近代日本の写真映像文化の発展に大きく貢献した。 横浜市ではこうした歴史を踏まえ、 アメリカのサーマン・F・ネイラーが40年にわたり世界各地から収集したカメラ、写真、写真関連アクセサリー、資料及び文献のコレクションを取得。横浜市民ギャラリーあざみ野はこれを収蔵し、保存・活用事業を行っており、現在では世界のカメラと写真の歴史が総合的にたどれる約1万2000件のコレクションとして発展している。本展ではこのコレクションのなかから、人の視覚への探求から生まれたカラー写真や立体視、映像技術に関する資料を紹介する。
人の眼がどのような原理にもとづきものを見ているかは、古くから人々の関心の対象となってきた。とくに写真が生まれた19世紀は、人の眼が色彩を感知するしくみや、立体や動きをどう認識しているかなど、視覚に関する様々な研究が進んだ時代だった。これらの研究は、1839年に写真術が発表されると、撮影装置やそこから生み出されるイメージ、鑑賞装置の開発に結びつく。映画やカラー写真術など、実用化されるまでに長い時間がかかったものもあるが、写真技術が発展するにつれ、色、空間、動きを再現する様々な技法に結実し、新たなものの見え方を獲得していった。
本展では、収蔵品のカラー写真、立体視、映像技術に関連するカメラ、写真、観賞装置、その他関連資料を通じて、人の視覚と写真・映像技術の関係性とその展開を探る。とくにカラー写真の展示では、世界で最初の実用的なカラーフィルム、コダクロームの開発者であるレオポルド・ゴドウスキーとレオポルド・マンネスに関する貴重な資料が公開される。