2018.5.27

不朽の名作を劇的舞踊で描く。
Noism1×SPAC公演
『ROMEO&JULIETS』に
田根剛、中里唯馬らが参加

新潟を拠点に活動を続ける劇場専属舞踊団「Noism」。設立15年目を迎える今年、メインカンパニー「Noism1」は、芸術監督・金森穣による劇的舞踊シリーズの最新作『ROMEO&JULIETS』を発表。本作は新潟と、富山、静岡、埼玉の各劇場で上演される。

劇的舞踊『ラ・バヤデール―幻の国』より 2016
© Kishin Shinoyama
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 「Noism」は2004年より新潟を拠点に活動を続ける、日本で唯一の劇場専属舞踊団。芸術監督・金森穣率いるカンパニー活動と、舞踊家たちの圧倒的な身体表現によって生み出される作品は、国内外で高い評価を得ている。

 オペラやバレエ、演劇などで知られる名作を、舞踊表現と重層的な物語構造を組み合わせて、Noismオリジナルとして描く「劇的舞踊シリーズ」。Noismは、本シリーズを通して「劇的=ドラマティックとは何か」という根本的な問いを模索するとともに、物語を扱うことが少なくなったコンテンポラリーダンス界に一石を投じている。

劇的舞踊『ホフマン物語』初演より 2010 © Kishin Shinoyama
劇的舞踊『カルメン』より 2014 © Kishin Shinoyama

 メインカンパニーである「Noism1」の今夏の公演は、劇的舞踊シリーズ最新作『ROMEO&JULIETS』。本作は、ウィリアム・シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』から着想を得て、金森がオリジナルとして執筆したもの。病院を舞台に「ロミオ」と「ジュリエット」と、彼らを取り巻く人々を描きながら、現代社会へと通じるテーマを浮かび上がらせるように展開されていく。

 本作の衣裳を手がけるのは、16年に日本人史上2人目となる、パリ・オートクチュール・コレクションの公式ゲストデザイナーに選ばれた注目のファッションデザイナー・中里唯馬。また舞台美術には、エストニア国立博物館を手がけたことで一躍注目された建築家・田根剛と、家具作家・須長檀を迎え、独特の世界観で空間を構成する。

 そして今回は、金森を含むNoismの舞踊家11名に加え、SPAC(静岡県舞台芸術センター)所属の俳優8名が出演。舞踊家と俳優が拮抗し、舞踊でも演劇でもなく「劇的舞踊」で描かれる『ROMEO&JULIETS』を体験してほしい。