REVIEW

モノを基点に人以外のものの世界を問う。佐々木敦が見た、 小林耕平「あくび・指南」展

ものと、それを認識する人間という二元論的な関係性や、人間を中心とした世界観に揺らぎを与える小林耕平。ものと、ものの認識を巡る対話(映像)を組み合わせたインスタレーション展示は、従来の作品鑑賞という枠組みにも揺らぎを与えた。本展をアートにおける演劇性に着目する佐々木敦がレビューする。

REVIEW

「神社の庭」に作られた、永遠の季節。 大下裕司が見た、太宰府天満宮アートプロジェクト  ピエール・ユイグ「ソトタマシイ」

太宰府天満宮が2006年より実施している「太宰府天満宮アートプログラム」。様々な分野の作家が太宰府にまつわる作品を発表する同プログラムの第10回を務めたのは、フランスの作家ピエール・ユイグ。プログラムの会期後も恒久展示されることとなった境内の「庭」について、大阪新美術館建設準備室学芸員の大下裕司が迫る。

REVIEW

「芸術の革命」と「革命の芸術」の 生真面目すぎた挫折。中ザワヒデキが見た、 「池田龍雄 楕円幻想」展

第2次世界大戦前後の大きな価値転回に立ち会い、ルポルタージュ絵画、前衛芸術、宇宙の成り立ちをテーマとした絵画など、約70年にわたって多彩な作風を展開してきた池田龍雄。170作品を通してその活動を振り返る展覧会が練馬区立美術館で開催中(4月26日〜6月17日)だ。この回顧展を通して見えてくるものとは? 美術家の中ザワヒデキがレビューする。

REVIEW

地方美術館が静かに語る、展示空間のあり方。副田一穂が見た、岐阜県美術館「明治150年」展

明治元年(1868)から起算して満150年にあたる今年、岐阜県美術館では「明治150年」を記念し、明治期に活躍した山本芳翠の作品を中心とした所蔵品特別展が開催されている。展示そのものの歴史を紐解きながら、その特性について愛知県美術館学芸員の副田一穂がレビューする。

REVIEW

2700年前の死の瞬間を「再現/再演」する。 相馬千秋が見た、藤井光のアテネ最新作 《第一の事実》

アテネのオナシス文化センターで毎年5月に開催されている、国際演劇祭「ファースト・フォード・フェスティバル(FFF)」。ここで発表された藤井光の最新作である演劇的インスタレーションについて、演劇とアートを横断して活動するアートプロデューサー・相馬千秋が考察する。

REVIEW

「動画素材の量り売り」の実践とは? 長谷川新が見た、「芸宿を送る会」での カタルシスの岸辺の挑戦

金沢市内のオルタナティブ・スペース「芸宿」が建物取壊しに伴い移転することとなった。それに際し催されたクロージングイベントで、カタルシスの岸辺が「動画の量り売り」を実践。このパフォーマンスについて、インディペンデント・キュレーターの長谷川新が迫る。

REVIEW

「共同体」をめぐるリダイレクトループ。 仲山ひふみが見た、梅津庸一「共同体について」展

パープルーム主宰の梅津庸一がキュレーションを手がけた展覧会「共同体について」が、東京・天王洲のURANOで開催された。通常のグループ展とは異なるアプローチで、多様な背景を持つ作家による作品を展示した本展について、批評誌『アーギュメンツ』でも活動する若手批評家・仲山ひふみが論じる。

REVIEW

揺れ動く東京をとらえた、 加速する筆触。沢山遼が見た、 長谷川利行展「七色の東京」

関東大震災から太平洋戦争直前の東京を歩き回り、その日暮らしの生活のなか、街の息遣いを描いた長谷川利行。その新出作品、近年の再発見作、代表作を含む約140点が集まる回顧展が府中市美術館で開催中だ。「放浪の天才画家」のイメージとともにある長谷川の作品を、美術批評家の沢山遼が分析する。

REVIEW

第116回

コラージュとコンストラクションのプロセスとは。清水穣が見た、スターリング・ルビー「VERT」展と渡辺豪「ディスロケーション」展

タカ・イシイギャラリー東京で開催されたスターリング・ルビーの個展「VERT」と、URANOで開催された渡辺豪の個展「ディスロケーション」を清水穣がレビュー。コラージュと、その母体となったコンストラクションのふたつの手法に焦点を当てて論じる。

REVIEW

欠落に向かう絵画。 藪前知子が見た、 小村希史展「大きな船」

厚塗りの絵具によって力強い人物の顔を描いてきた小村希史が、新境地となるシリーズ「Subtract(取り去る、差し引く)」を東京・神宮前のThe Massで発表した。東日本大震災を経て大きな変化を見せた画家の個展を、東京都現代美術館学芸員の藪前知子がレビューする。

REVIEW

失われた画廊の再編成から見えてくるもの。 松岡剛が見た、「梟コレクション」展

広島のアートギャラリーミヤウチにて、1960〜80年代に地元作家の重要な活動拠点であった「画廊 梟(ふくろう)」の関連資料・作品による展覧会が開催された。コレクションの紹介にとどまらず、オーナーであった志條みよ子の表現に対する姿勢を新たな観点から伝えた本展を、広島市現代美術館学芸員の松岡剛が論じる。

REVIEW

テキスタイルを思わせる絵画から 見出される命題とは。 沢山遼が見た、髙畠依子「泉」展

絵具を⽷のように垂らして重ね、ときにはそれらを⽣乾きのうちに吹き⾶ばす手法によって、緻密でしなやかな佇まいを持つ絵画を手がけてきた髙畠依子。これまでの手法に加え、水や重力の働きといった偶然性を取り⼊れた新作を発表した髙畠の個展を、美術批評家の沢山遼がレビューする。

REVIEW

戦前から戦後へ、 画風を変転させ続けた作家の全貌。 諏訪敦が見た、「阿部展也―あくなき越境者」展

戦前から戦後にかけての美術動向に大きな影響を与えた阿部展也(あべ・のぶや、1913-71)の大規模な回顧展が、広島市現代美術館で開催されている。戦前の前衛写真の運動において重要な役割を果たしたほか、シュルレアリスム、アンフォルメル、幾何学的抽象など、時代を追うごとに画風の変転を遂げた阿部。その歩みを総覧する本展に、画家の諏訪敦が迫る。

REVIEW

“南画の大成者”85年ぶりの大回顧展。 鈴木俊晴が見た「池大雅 天衣無縫の旅の画家」展

江戸時代中期、与謝蕪村とともに南画を大成させた池大雅(いけの・たいが)。京都に生まれ、日本各地を訪ね歩いた大雅の、初期から晩年にいたる代表作を一堂に集めた本展は、じつに85年ぶりの大回顧展だ。豊田市美術館学芸員の鈴木俊晴が、その今日的意義を問う。

REVIEW

世界を舞台に活躍する、 オーディオビジュアル作家の日本初個展。 金子智太郎が見た、「黒川良一展」

ベルリンを拠点に活動するオーディオビジュアル・アーティスト、黒川良一。2010年アルスエレクトロニカにてデジタル音楽 & サウンドアート部門の大賞を受賞するなど、海外を中心に映像と音を用いたインスタレーション作品を発表してきた。日本では初となった黒川の個展を、サウンドアート研究の金子智太郎がレビューする。

REVIEW

阪神間に生まれ、同時代に活躍した 対照的なふたりの巨匠。 長谷川新が見た、 「小磯良平と吉原治良」展

同時期に阪神間に生まれ、画家として活躍した小磯良平と吉原治良。人物画を得意とし、名実ともに日本を代表する画家となった小磯と、戦後日本の前衛美術を牽引した具体美術協会の主宰として、数多くの抽象絵画を手がけた吉原。対称的なふたりの画業を振り返る展覧会に、インディペンデント・キュレーターの長谷川新が迫る。

REVIEW