「生誕100周年記念 安野光雅展」(PLAY! MUSEUM)開幕レポート。安野光雅の遊び心と創造の軌跡に出会う【2/3ページ】

 会場の冒頭を飾るのは、デビュー作『ふしぎなえ』や『さかさま』『ふしぎな さーかす』といった初期三部作の原画だ。幼少期より、望遠鏡を反対から覗いたり、鏡を床に置いて部屋が逆さまに映る様子を楽しんだりと、日常のなかに不思議な空想を見出していたという安野。その経験が原点となり誕生した、ユーモアあふれる作品群が紹介されている。

『ふしぎなえ』の原画。各作品には錯視と空想が織り交ぜられたような不思議な空間が広がり、目線を変えることで新たな発見がある

 代表作のひとつ『おおきなもののすきなおうさま』は、大きなものを愛する王様が、家来たちにありとあらゆる巨大な道具をつくらせる物語だ。王様の無理難題を必死に実現しようとする家来たちの姿や、スケール感のちぐはぐさに、思わず笑みがこぼれる。

 会場では、その世界観を味わえるようなフォトスポットも登場。来場者自らが絵本の登場人物になったかのような気分で記念撮影を楽しむことができる。

『おおきなもののすきなおうさま』の原画と絵本
『おおきなもののすきなおうさま』の世界観を再現したようなフォトスポットも

 もうひとつの代表作『天動説の絵本』は、天動説が信じられていた時代から地動説が受け入れられるまでの険しい道のりを描いた作品だ。物語が進むにつれて大地が徐々に丸みを帯びていく描写は、安野ならではの秀逸な演出といえる。

 また、会場では同作の朗読映像も上映されている。当時、天動説を信じていた人々が地動説を耳にして何を思ったのか。安野が描き出した緻密な世界観とともに、じっくりと思いを馳せてみてほしい。

『天動説の絵本』の原画
『天動説の絵本』の朗読映像(約13分) 

編集部