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「ジャッド|マーファ 展」(ワタリウム美術館)開幕レポート。ドナルド・ジャッドが築いたテキサスの聖地に迫る【2/3ページ】

 3階では、ジャッドがデザインした家具やそのドローイング、そしてワタリウム美術館所蔵の立体作品《無題》(1977)などが並ぶ。ジャッドが家具を自ら制作し始めた理由は、マーファへ移住した際「自分の求める機能と美学を備えた家具が市場に存在しなかった」という、極めて切実かつ実践的な動機に基づいている。

展示風景より、左から《無題》(1977、ワタリウム美術館蔵)、彫刻のためのドローイング(3点ともに1977、ワタリウム美術館蔵)、《無題》(1991、ジャッド財団蔵)

 続く4階は、その「マーファ」のプロジェクトに迫る本展の核心部だ。70年代初頭、ニューヨークのアートシーンに限界を感じたジャッドは、テキサスの広大な砂漠の町・マーファへとたどり着く。

 ジャッドは1973年から旧軍事施設などの建築を購入・改修し、土地と建築、そしてアートが分かちがたく結びついた「パーマネントインスタレーション」の場を25箇所以上も創出した。本展では、その壮大なプロジェクトをドローイングや写真、そして本展のために制作された最新映像で紹介している。なお会場中央の巨大なテーブルには貴重なテストプリントが並べられており、そこに残る筆跡からジャッドの思考をたどることができる。

4階の展示風景。中央のテーブルに置かれた3点がテストプリント

 内覧会に登壇したジャッドの息子であり、ジャッド財団共同代表のフレイヴィン・ジャッドは次のように語った。「父は、マーファのような『恒久的な展示』こそがアートのあるべき姿だと考えていた。この展示を入り口として、ぜひ現地を訪れてほしい」。

編集部