3階では、ジャッドがデザインした家具やそのドローイング、そしてワタリウム美術館所蔵の立体作品《無題》(1977)などが並ぶ。ジャッドが家具を自ら制作し始めた理由は、マーファへ移住した際「自分の求める機能と美学を備えた家具が市場に存在しなかった」という、極めて切実かつ実践的な動機に基づいている。

続く4階は、その「マーファ」のプロジェクトに迫る本展の核心部だ。70年代初頭、ニューヨークのアートシーンに限界を感じたジャッドは、テキサスの広大な砂漠の町・マーファへとたどり着く。
ジャッドは1973年から旧軍事施設などの建築を購入・改修し、土地と建築、そしてアートが分かちがたく結びついた「パーマネントインスタレーション」の場を25箇所以上も創出した。本展では、その壮大なプロジェクトをドローイングや写真、そして本展のために制作された最新映像で紹介している。なお会場中央の巨大なテーブルには貴重なテストプリントが並べられており、そこに残る筆跡からジャッドの思考をたどることができる。

内覧会に登壇したジャッドの息子であり、ジャッド財団共同代表のフレイヴィン・ジャッドは次のように語った。「父は、マーファのような『恒久的な展示』こそがアートのあるべき姿だと考えていた。この展示を入り口として、ぜひ現地を訪れてほしい」。



















