「日本画アヴァンギャルド KYOTO 1948-1970」(京都市京セラ美術館)開幕レポート。いま見つめなおす、日本画を覆そうした戦後の“熱”【2/4ページ】

 第1章を飾る創造美術は、1948年に日展や院展から離脱した日本画家たちによって結成された団体だ。「我等ハ世界性ニ立脚スル日本絵画ノ創造ヲ期ス」という綱領のもと、既存画壇から距離を取り、自由で純粋な表現環境を求めた。本展では、上村松篁、菊池隆志、向井久万、奥村厚一、秋野不矩、沢宏靭、広田多津ら、京都側の創立委員の作品が紹介される。

 秋野不矩の《砂上》(1936)に見られる洋画的構図や陰影表現はすでに日本画の変化の兆しを示しているが、《少年群像》(1950)では、荒々しい筆致と激しい色彩によって、伝統的な美意識そのものが揺さぶられている。同時期に制作された向井久万の《浮游》(1950)は、陶器のような質感をもつ人体像を、日本画とは思えない異質な額装とともに提示した作品だ。「より純粋に美として整った形」を探ろうとした向井の試みは、日本画の輪郭を溶解させたものと言えるだろう。

秋野不矩《少年群像》(1950)は第1回上村松園賞作品でもある
左が向井久万の《浮游》(1950)