上甲が保管していた年賀状の数々からも人脈の広さが伝わってくる。池田満寿夫(1934〜1977)、白髪一雄(1924〜2008)、岡上淑子(1928〜)、朝倉摂(1922〜2014)、草間彌生(1929〜)、多田美波(1924〜2014)、辻惟雄(1932〜)といった名だたる美術関係者たちが創意工夫を凝らして描いた年賀状の数々は、上甲の編集者としての仕事の幅広さを教えてくれる。

ほかにも会場では千葉勝(1926〜1987)、小林ドンゲ(1926〜2022)、浜口陽三(1909〜2000)、菅井汲(1919〜1996)、中川幸夫(1918〜2012)らの作品や資料を見ることができ、戦後美術の足跡の一端を知ることができる展示となっている。

戦後の美術業界において、公私を隔てず作家と伴奏し、歴史的に重要な仕事を残した上甲の足跡をたどることができる本展。美術を仕事にするとはどのようなことなのか、ひいては人と仕事をするとはどのようなことなのか。彼女が残した作品と資料から、改めて考えさせられる展覧会といえるだろう。



















