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「コレクション展 第3期」小企画「美術編集者・上甲ミドリさんの仕事」(富山県立美術館)会場レポート。アーティストとともに歩んだ編集者の足跡

富山県美術館の収蔵品を紹介する「コレクション展 第3期」において、美術編集者・上甲ミドリ(1925~2025)から同館に寄贈された作品や資料を展示し、その仕事を振り返る小企画「美術編集者・上甲ミドリさんの仕事」が展示室2で行われている。会場の様子をレポートする。

文・撮影=安原真広(ウェブ版「美術手帖」副編集長)

展示風景より、上甲ミドリに届いた美術関係者からの年賀状

 富山市の富山県美術館で開催中の、館蔵品を紹介する「コレクション展 第3期」。本展内の小企画として、美術編集者・上甲ミドリ(1925~2025)から同館に寄贈された作品や資料を展示し、その仕事を振り返る「美術編集者・上甲ミドリさんの仕事」が開催されている。会期は1月25日まで。担当は同館学芸員の遠藤亮平。会場の様子をレポートする。

展示風景より、「美術編集者・上甲ミドリさんの仕事」が行われている展示室2

 上甲は1925年東京都生まれ。父の上甲保一郎は上甲平谷の名で俳句の創作や俳諧研究をした人物だった。上甲は女子美術大学絵画科洋画部を卒業後、1950年に美術出版社に入社。63年頃まで雑誌『美術手帖」の編集に携わったのち、書籍編集に従事した。土門拳(1909~1990)の『古寺巡礼』(1963-75)や石元泰博(1921〜2012)『シカゴ、シカゴ』(1969)といった重要な写真集のほか、『岡鹿之助作品集』(1974)『駒井哲郎版画作品集』(1979)などの画集・レゾネの編集を行った。数多くの芸術家、批評家と親交を結び、その仕事は編集作業に留まるものではなく、幅広い人的交流のなかで、様々な芸術家を公私にわたりサポート。また美術研究者への協力も惜しまなかったという。

展示風景より、上甲ミドリの写真と解説パネル

 上甲は富山県出身の詩人・批評家の瀧口修造(1903~1979)を敬愛し、瀧口が世を去るまで長く交流をしていた。この縁があり、郷土出身者として瀧口のコレクションを多く有する富山県美術館は、上甲から整理・研究の途上にある膨大な資料を託された。本展はそのなかから美術作品、書簡、書籍、編集用ファイル、美術出版社関連資料など代表的なものを紹介し、上甲の仕事の足跡をたどるものだ。

展示風景より、上甲ミドリが所蔵していた瀧口修造の関連資料