ROUND3「ファンタジーとリアリティ」では、架空のキャラクターや世界観にいかに“現実味”を与えて描き出しているのかを、技術とデザインの両側面から紐解いていく。
このエリアでもとくに目を引くのは、白い石膏像にプロジェクション・マッピングを施した春麗とダンテの像だ。本作では、3DCGモデルがどのような工程とこだわりでつくり込まれているのかを、視覚的にわかりやすく紹介。あわせて、キャラクター造形においてデザイナーたちが人体構造をどうとらえ、表現へ落とし込んでいるのかを、パネル展示などで解説している。

さらに、「モンスターハンター」シリーズのフィールド模型にプロジェクション・マッピングを投影し、ゲーム内の自然環境がどのように構築されていったのかを立体的に表現する作品も登場。そのほか、懐中電灯型のセンサーを壁に向けることでゾンビなどの映像が浮かび上がり、「バイオハザード」の世界観に没入できる「新ウォークスルー体験」コーナーなど、多彩な展示が用意されている。

「BONUS STAGE」では、モーションキャプチャー技術を使い、来場者自身の身体の動きがそのままゲームキャラクターのアクションとして反映される「モーションキャプチャーミラー」を体験できる。選択できるキャラクターは、「ストリートファイター6」のリュウ、「逆転裁判」の成歩堂、「ロックマン」のロックマンといった3種類。憧れのキャラクターになりきって、渾身のポーズを決めてみてほしい。

最後の「FINAL ROUND」では、「伝説の企画書」と題された、過去の名作の企画書や手描きスケッチが展示されている。東京会場では、新たに追加された未公開を含む資料の数々にもぜひ注目したい。
さらに、カプコンでゲーム開発に携わる12名のクリエイターによるインタビュー映像も上映される。異なるタイトルを担当しながらも、ユーザーを楽しませ、驚かせることへの共通の姿勢が真摯に伝わってくる内容だ。


ゲーム制作の裏側を知ることで、普段のプレイでは気づかない工夫や苦労が見えてくる。制作過程という別の視点から、より深く、より一層ゲームを楽しむことを可能にしてくれる展覧会と言えるだろう。
なお、東京会場のあとには新潟への巡回が決定している(2026年3月14日〜6月21日)。



















