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「国宝 熊野御幸記と藤原定家の書 ―茶道具・かるた・歌仙絵とともに―」(三井記念美術館)開幕レポート。いま改めて知りたい藤原定家の仕事【3/3ページ】

 また、本展では百人一首や歌仙を題材にした「かるた」も見どころとなっている。山口素絢が絵を、鈴木内匠が文字を担当した《百人一首かるた》(18〜19世紀、江戸時代)は絵札と文字札をすべて展示。また、団扇形が珍しい《三十六歌仙扇形かるた》(18〜19世紀、江戸時代)にも注目だ。

展示風景より、《百人一首かるた》(18〜19世紀、江戸時代)
展示風景より、《三十六歌仙扇形かるた》(18〜19世紀、江戸時代)

 さらに銘品として知られる土佐光起筆《女房三十六歌仙帖》(17世紀、江戸時代)のほか、新古今和歌集の新六歌仙を描いた住吉広純(具慶)筆の《六歌仙帖》(17〜18世紀、江戸時代)や伝鷹司兼熈筆《三十六歌仙帖》(17〜18世紀)といった初公開の歌仙帖にも注目したい。

展示風景より、土佐光起筆《女房三十六歌仙帖》(17世紀、江戸時代)
展示風景より、住吉広純(具慶)筆《六歌仙帖》(17〜18世紀、江戸時代)

 正月遊びとしても親しまれてきた「かるた」だが、その成立は定家の編纂した小倉百人一首を抜きにしては語れない。年をまたいで開催される本展で、定家の仕事と歌仙集のおもしろさに改めて触れてみてはいかがだろうか。

※展示風景はすべて主催許可を得て撮影

編集部

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