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「国宝 熊野御幸記と藤原定家の書 ―茶道具・かるた・歌仙絵とともに―」(三井記念美術館)開幕レポート。いま改めて知りたい藤原定家の仕事

日本橋の三井記念美術館で、同館所蔵の藤原定家の書を中心に、その影響を受けた茶道具や歌仙絵などを紹介する「国宝 熊野御幸記と藤原定家の書 ―茶道具・かるた・歌仙絵とともに―」が開幕した。会期は2026年2月1日まで。

展示風景より、《三十六歌仙扇形かるた》(18〜19世紀、江戸時代)

 東京・日本橋の三井記念美術館で「国宝 熊野御幸記と藤原定家の書 ―茶道具・かるた・歌仙絵とともに―」が開幕した。会期は2026年2月1日まで。

 藤原定家は鎌倉時代に活躍した歌人で、よく知られているように「小倉百人一首」の撰者だ。三井記念美術館は定家の筆による書を多く所蔵しており、国宝に指定されている後鳥羽上皇の熊野参詣に随行した際の自筆記録《熊野御幸記》(1201、建仁元年)のほか小倉色紙、歌切などが揃う。また、定家の書を好んだ茶道具の銘を和歌から取り、小色紙や箱書を定家様で書いた小堀遠州(1579~1647)ゆかりの茶道具も紹介している。

展示風景より

 まずは茶人たちが好んだ、茶の湯で使われる定家様式の品々を紹介。とくに遠州は、定家の書を好み、瀬戸茶入などに和歌から銘を付け、箱書や小色紙に定家様で和歌をしたためた。会場には遠州の筆による色紙、遠州が箱書をした名物の茶入、和歌を直書した茶杓などが並び、いかに茶人が定家の美意識を茶の席で表現しようとしたのかが見て取れる。また、定家の筆による小倉色紙《うかりける…》(13世紀、鎌倉時代)も貴重な品といえるだろう。

展示風景より、伝小堀遠州所持の茶器など
展示風景より、藤原定家筆の小倉色紙《うかりける…》(13世紀、鎌倉時代)

編集部

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