両足院で呼応する、クサカ シオの陶とジョナス ウッドの絵画【2/2ページ】

 例えばウッドがクサカの器を描いた絵画、クサカが寺院の内部空間をモチーフにした器に象徴されるように、本展では両足院というユニークな会場で、互いの表現が相互に呼応しながら、制作と鑑賞の場を包み込むような有機的なアートのあり方を提示している。

展示風景

 クサカは縄文時代や古墳時代の陶芸から着想を得たもの、あるいは陶芸でありながら内と外の関係を問いかけるもの、宇宙船を思わせる巨大な照明など、多彩なバリエーションを見せる。

展示風景
展示風景

 いっぽうジョナスはハワイや日本から着想を得た平面を展示。例えば《Japan Cityscape》(2025)では、樹木や建物、芝生の質感を多様な線で表現しており、各線は全体を構成する要素であると同時に、独立した構造としても機能している。

ジョナス・ウッド《Japan Cityscape》(2025)の展示風景

 また今回は、敷地内にある2つの茶室でも作品を展示。両⾜院の歴史や⽂脈を鑑みながらアーティストたち⾃⾝で選定された作品群を、環境ととともに楽しんでもらいたい。