両足院で呼応する、クサカ シオの陶とジョナス ウッドの絵画

京都の名刹・両足院で「クサカ シオ と ジョナス ウッド」が始まった。

文・撮影=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長)

手前はクサカ シオ《 (interior 1)》(2025)

 14世紀に建⽴され、京都でもっとも重要な禅寺のひとつとして知られる両足院。毎年秋に、意欲的な現代美術の展覧会を行うこの場所を、今年はクサカ シオとジョナス ウッドが彩る。

 本展は、ロサンゼルスを拠点とするデイヴィッド・コルダンスキー・ギャラリーとの共同企画によるもので、クサカ・シオの陶芸作品などとジョナス・ウッドの絵画を紹介するものだ。

展示風景

 クサカは1972年岩⼿県盛岡市⽣まれ。古来の陶芸に内在する理念を現代的な造形として展開し、彫刻的なアプローチで作品を制作。2021には建築家の森俊⼦とともにイサム・ノグチ賞を受賞するなど、世界的に高い評価を得ている。

 いっぽうのウッドは1977年マサチューセッツ州ボストン⽣まれ。平面的に色を配置しつつ、絵具の質感を精緻に操ることで立体感と奥行きを生み出すことで知られる。

 夫婦でもある2人のアーティストが共演する機会はこれまでもあったが、彼ら⾃⾝で企画した展⽰は⽇本初の試み。会場は、両者によるほぼ全てが新作で構成されている。