「alter. 2025, Tokyo」(日本橋三井ホール)レポート。現代社会におけるプロダクトデザインの価値を問い直す

日本のプロダクトデザインに革新を促すイベント「alter. 2025, Tokyo」が、日本橋三井ホールでスタート。初開催となる同イベントの様子をレポートする。

文・撮影=三澤麦(ウェブ版「美術手帖」編集部)

展示風景より

 東京・日本橋三井ホールで、次世代を担う多様な分野のクリエイターによるプロトタイピングやコラボレーションを促進し、オルタナティブなプロダクトデザインの在り方を提示する実験的デザインイベント「alter. 2025, Tokyo」が開幕した。会期は11月9日まで。

展示風景より

 同イベントの企画背景には、「日本のものづくり(プロダクトデザイン)にいかにして革新をもたらすか」という課題意識がある。というのも、プロトタイプ制作にかかるコストが大きなハードルとなっており、現状ではデザイナーたちが受注案件に追われるあまり、新しいアイデアを生み出しにくくなっているといった実情があるからだ。

 alter. では、こうした状況を打破するため、グローバルなデザインシーンを牽引するコミッティメンバーによって選抜された11組・計59名のクリエイターに対し、最大300万円の助成を実施。通常では実現が難しい独創的なアイデアのプロトタイプ化を支援し、展示・紹介することで、日本のプロダクトデザインに新たな革新を促すことを試みている。

展示風景より、メイン会場