「alter. 2025, Tokyo」(日本橋三井ホール)レポート。現代社会におけるプロダクトデザインの価値を問い直す【4/4ページ】

 また、同イベントで注目したいもうひとつのエリアが「say hi to_ Curation」だ。alter. の選考時に浮かび上がった課題は、ものづくりの革新性のみにとどまらず、業界におけるジェンダーバランスの問題にも及んでいた。実際、選出されたクリエイターの多くは男性である。

 このエリアでは、コミッティーメンバーのひとりであるクリスティンがキュレーションを担当し、日本人女性クリエイター2名のプロダクトを展示している。今回の展示については、展示場所の在り方に一部疑問が残るものの、プロダクトデザイン業界におけるこうした不均衡に目を向けながら企画が進められていることを示唆する取り組みだと感じた。

展示風景より、「say hi to_ Curation」
オープニングトークの様子。コミッティメンバーは左から、Olivier Zeitoun(Centre Pompidou)、Kristen de La Vallière(say hi to_)、Tanja Hwang(MoMA)、中村圭佑(DAIKEI MILLS) ※Andrea Trimarchi / Simone Farresin(FormaFantasma)は欠席