もちろんこれらのほかにも見どころは多い。例えば 《木画紫檀双六局》は、聖武天皇が愛用していた双六(すごろく)盤だ。表面には木画という寄木細工の技法で鳥や唐草の装飾文様が凝らされており、ツゲ、紫檀、黒檀、象牙、鹿角、竹といった多彩な素材を用いられている。彩り豊かなモチーフとともに、高度な技術も見どころとなる。なお、この双六の確かな遊びかたはわかっていないという。会場では、これを収めた木製の箱《漆縁籩篨双六局龕(ぬりぶちきょじょのすごろくきょくのがん)》もあわせて展覧されている。


六曲屏風の《鳥毛篆書屛風(とりげてんしょのびょうぶ)》は、草花や飛鳥などの地文様の上に、八文字の篆書と同字の楷書を交互に表している。楷書は吹き付けと点描で、篆書はキジやヤマドリなどの羽毛を貼り付け、金箔を散らしている。君主にとっての戒めの格言が表されており、聖武天皇の身近に置かれた、格調高い品であったとされる。





















