1300年前の文書を未来へ。歴博が「正倉院文書」複製製作プロジェクトでクラウドファンディングを開始

国立歴史民俗博物館(千葉県・佐倉市)が、日本最古の紙史料群「正倉院文書」の複製製作のため、クラウドファンディングによる支援募集を開始。3月30日までに350万円の調達を目指す。

正倉院文書調査風景 写真提供=(株)便利堂

 国立歴史民俗博物館(千葉県・佐倉市)は、1月15日より、クラウドファンディングサービス「Readyfor」にて、「正倉院文書」の複製製作のための支援募集を開始した。

 約1300年前から東大寺の正倉院に伝わる「正倉院文書」は、奈良時代の国家行政から写経事業、役人の生活にいたるまでが記された日本最古の紙史料群。しかし、実物は年に一度、奈良国立博物館で開催される正倉院展でしか見ることができず、また万一災害にあえば、これらの過去の記録は失われてしまう。

続修後集 22

 同館は、この正倉院文書を国内外に広く公開することと、貴重な文化財を後世に伝えることを目的として、長期間の展示に耐えられる精巧な複製製作に35年にわたって取り組んできた。これまでに全667巻5冊のうち390巻4冊の複製が完成している。クラウドファンディングにより、今回は「続々修第12帙第8巻」を複製し、複製の早期完了を目指す。

 寄付を行った人には、複製完成記念特別解説会への招待や、複製製作現場の工房見学などのリターンも用意されている。

編集部

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