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東京都が芸術文化へのアクセシビリティ向上を発表。世界陸上・デフリンピックの開催を機に【2/4ページ】

都立文化施設における3つのフェーズでの取り組み

 東京都と東京都歴史文化財団では、これまでも都立文化施設において情報保障(*1)や鑑賞サポートの取り組みを実施してきた。また、今年も「東京芸術文化鑑賞サポート助成」を募集しているほか、展覧会や公演等における民間団体などの鑑賞サポートをさらに普及させるべく「2025 機運醸成枠」も新設されている。昨年上演された座・高円寺 での『夏の夜の夢』 『小さな王子さま』(2024年8月31日~10月12日)では、字幕タブレット貸出、上演台本の事前貸出、受付手話対応、アフタートーク手話通訳、手話字幕の監修などといった鑑賞サポートも行われてきた。

 そのような活動があったうえで、より充実したサポートに踏み切るべく、都立文化施設においては2023年度より情報をわかりやすいかたちで手元に届ける「情報サポート」、情報保障と環境を整えたプログラムを各施設で継続的に実施し、つねに開かれた状態とすることを目指す「鑑賞サポート」、そして芸術文化の担い手として関わりを持つ際の「参画サポート」といった3つのフェーズでその取り組みを実施。これらの整備を段階的に進めながら、今後すべての取り組みを並走させていくという。

 また、各館には昨年度より「社会共生担当」の職員が配置され、誰もが芸術文化を楽しめる環境づくりを担っている。社会共生担当は自身が勤める施設でのプロジェクト進行を行うほか、他館の担当とも定期的な情報共有を行っているそうだ。

オールウェルカムTOKYO記者懇談会・交流会より、「都立文化施設におけるアクセシビリティ向上の取組」説明の様子。登壇者は駒井由理子(アーツカウンシル東京 事業部事業調整担当課長)
写真提供=東京都歴史文化財団

*1──「情報提供の方法(情報保障)」、東京都福祉局。