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東京都が芸術文化へのアクセシビリティ向上を発表。世界陸上・デフリンピックの開催を機に

東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団が、今年11月に東京で開催されるデフアスリートのための国際スポーツ大会「東京2025デフリンピック」にあわせ、芸術文化へのアクセシビリティをさらに強化していく「オールウェルカムTOKYO」を推進する。障がいのある方などを含めた、誰もが芸術文化を楽しめる鑑賞サポートの取り組みを発表した。

文・撮影=三澤麦(ウェブ版「美術手帖」編集部) 一部写真提供=東京都歴史文化財団

オールウェルカムTOKYO記者懇談会・交流会より、「都立文化施設におけるアクセシビリティ向上の取組」説明の様子。登壇者は駒井由理子(アーツカウンシル東京 事業部事業調整担当課長) 写真提供=東京都歴史文化財団

東京都が芸術文化へのさらなるアクセシビリティ向上を発表

 東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団が、障がいのある方などを含めた誰もが芸術文化を楽しめる鑑賞サポートの取り組みを実施。今秋東京で開催される、デフ(きこえない・きこえにくい)アスリートのための国際スポーツ大会「東京2025デフリンピック」(11月15日~26日)にあわせ、芸術文化へのアクセシビリティをさらに強化してくことを発表した。

 東京都によるこの芸術文化へのアクセシビリティ強化は「オールウェルカムTOKYO」というキャンペーン名のもと推進される。東京都生活文化局長の古屋留美は、同取り組みの実施について次のように語った。「東京都は、都民が暮らしていくためのインフラとして文化をとらえ、振興事業を行っている。都が目指すのは、例えば、ろう者の体験を聴者と同じものにするといったことではなく、一人ひとりの鑑賞体験をサポートし、その人自身の楽しみかたができるよう橋渡しをすることだ」。

 記者発表では、「都立文化施設におけるアクセシビリティ向上の取り組み」「展覧会・公演等におけるアクセシビリティ向上の取り組み事例」が紹介されたほか、鑑賞においてどのようなサポートをしているかを実際に体験することができるよう、都立文化施設の「鑑賞サポートツール」を一堂に集めた展示も実施された。本稿ではその様子をお届けしたい。