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「山本理顕展―コミュニティーと建築―」で迫る、プリツカー賞受賞建築家の思想【3/4ページ】

 会場に並ぶ各作品以外に、もっとも見るべきは横須賀美術館という建築そのものだろう。同館の設計者選定は、建築案ではなく実績や面接で選ぶQBS(資質評価)方式によって行われた。山本にとってはこれが初の美術館建築であり、「非常に深い思い入れがある」(山本)という。

横須賀美術館内観から海を望む

 後ろ三方を森に囲まれ、北東が海に面するという景観に佇むこの美術館は、塩害対策のためボリュームの半分を地下に埋めた低層。敷地の海側はなだらかな斜面でそのまま海につながるように、また地上に出ている建物部分は森に隠れるように建っており、「地形を利用して景観と建物とを一体化させたい」という当初からのコンセプトが見事に体現されている。

展示風景より、横須賀美術館の模型

 外観は外皮をガラスで覆い、内皮を溶接した鉄板にする「ダブルスキン」となっており、これによって内部空間はコーナーがない、滑らかな面が続く独特の雰囲気が実現した。

編集部