自身の代表作のひとつである横須賀美術館を会場として行われる本展は、その設計思想を総合的に紹介する、過去最大規模の展覧会。会場には、小さな住宅から都市計画まで、約60点の模型や図面、スケッチ、ドローイングがびっしりと並ぶ。




それぞれの作品をじっくり見ていくと、どれだけ時間があっても足りないが、例えば家族ではない500人程度の人たちが一緒に住む「地域社会圏モデル」などは、山本の思想を強く反映したものに見える。
“「地域社会圏」システムについて考えることは、今の行政の運営システムそのものを見なおすことでもある。「一住宅=一家族」システムは既に破綻している。でも、今、それに変わる空間モデルがない。「地域社会圏」に固有の小さなインフラ・システムと共に、魅力的な建築空間のモデルを私たち建築家の側が提案できるかどうか、それが極めて重要なのである。”(本作キャプションより、山本の言葉を一部引用)




















