山本理顕が文化庁長官表彰に。「超高層ビル、都市文化壊す」

7月16日、文化庁長官表彰(国際芸術部門)の被表彰者が発表され、山本理顕(建築家)と山崎貴(映画監督、脚本家、VFX製作者)が選出。それを受け、山本理顕への表彰式が本日執り行われた。

表彰式の様子。左から山本理顕(建築家)、都倉俊一(文化庁長官)トロフィーの製作は、丸山智巳(東京藝術大学 美術学部工芸科鍛金 教授)

 7月16日、芸術各分野において国際的に活躍し、とくに顕著な成果をあげた個人に対して文化庁長官が表彰を行う「文化庁長官表彰(国際芸術部門)」に、山本理顕(建築家)と山崎貴(映画監督、脚本家、VFX製作者)が選出。それを受けて、山本理顕への表彰式が本日執り行われた。

 山本は、中華人民共和国・北京に生まれ、第二次世界大戦後は横浜へと移住。1968年に日本大学理工学部建築学科卒業し、71年には東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修士課程修了。73年に山本理顕建築設計事務所を設立した。代表作には、「横須賀美術館」「公立はこだて未来大学」「横浜市立子安小学校」。海外では、チューリヒ空港の複合商業施設「THE CIRCLE」や韓国の集合住宅なども手がけている。「建築を通じたコミュニティ創出」の観点が評価され、今年「建築界のノーベル賞」と呼ばれるプリツカー賞を受賞した。

表彰式の様子

 表彰を受けて、山本はいまの気持ちを「すごく嬉しい。都倉長官が建築文化に造詣の深いため、受賞できたと思う」と語ったうえで、現在の都市開発の在り方についても次のようにコメントした。「自分は、都市計画や建築によってその地域にどういった文化をつくることができるか、また継承していくことができるかを考えてきた。いまの都市開発にはその視点がなく、超高層ビルの建設は、都市のコミュニティや文化を壊していると感じる。これらは住民の誇りや快適さを守るために行われるべき。今回の表彰はそれを重視するというメッセージでもあると考えている」。

懇談の様子

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