続いて建物の外にある階段を登り2階へ上がる。階段から上を見上げるとコンクリートとガラスの間の空間を間近で見ることができる。

2階に展示されているのは、「言葉の曼荼羅」。内藤の近著から、印象的なフレーズが抜粋されたものが曼荼羅状に並べられている。各フレーズは、建築事務所のスタッフが選んでおり、内藤の情熱的な一面が現れている言葉は赤色で、冷静沈着な一面が現れている言葉は青色で書かれている。

「言葉の曼荼羅」から、上に向かって目線を移した先には吹き抜けの空間が広がっており、いよいよ3〜5階にかけて、本展の目玉ともいえる、内藤の約40年分の手帳が年代順に公開されていく。

内藤はこの40年間、A5版の能率手帳にすべての情報を詰め込むことを習慣にしている。日々の予定だけでなく、その時々に思いついたこと、記憶に残しておきたいこと、プロジェクトや旅先でのスケッチ、プロジェクト図面といった仕事からプライベートに関わるありとあらゆるものが、1年に1冊のペースで貼り込まれている。手帳に貼りきれないものは捨てる、というルールはあるが、最近では1年が終わると手帳の厚さは3倍近くに膨れ上がるという。綴じ込まれる情報は様々だが、内藤のほぼすべての思考の軌跡が詰まっているといってもよいだろう。



















