本展は、この紀尾井清堂の各フロアを使って、内藤の思考の軌跡を紐解く構成となっている。
1階は「東日本大震災への鎮魂」と題され、18800個のガラスピースがリング状に再構築されたインスタレーションが登場する。このフロアは、多角形の4本柱が15m角のコンクリートキューブを支える構造となっている。通常は何も置かれていないが、2022年3月〜23年3月の約1年間の間に、陸前高田市の倉庫で静かに保管されていた震災復興シンボルの「奇跡の一本松」をここで展示していたこともあり、今回も東日本大震災への鎮魂をテーマとした展示を行っている。


内藤は、東日本大震災の発災から約2ヶ月後に、亡くなった方と行方不明者の方が25673人という新聞記事を見つけ、日頃自身が使っている赤いペンで25673のドット(点)をA4用紙に3日間かけて打ち続けた。それを展開するかたちで、2012年に展示制作された、被災された方の数である約2万ピースのガラスタイルが床に並べられている。




















