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ルイ・ヴィトン「ビジョナリー・ジャーニー」展(大阪中之島美術館)開幕レポート。LV史上最大の展覧会で示す日本との深い関係【6/12ページ】

 ルイ・ヴィトンの手仕事を語る上で欠かせないのが「素材」だ。ここでは、木、金属、革、キャンバスといった、トランクの構造や耐久性において欠かせない役割を担う4つの主要な素材にフォーカスしている。

展示風景より

 当初使用されていたポプラ材やブナ材は、やがて黒檀やマホガニー、メープル、チェリーといった銘木へと選択肢を広げていった。銅と鉄でつくられていたトランクの金属部品も、時代とともにアルミニウム、チタン、銅、亜鉛、そしてアルノックスやパラジウムといった上質な合金へと変化を見せている。キャンバスも、グリ ・ トリアノンからストライプ柄のトワル ・ レイエ、ダミエ ・ キャンバスへと変遷し、1896年にはモノグラム ・ キャンバスが誕生。自動車での移動が盛んになると、近代の過酷な旅に耐えられるようヴィトニット ・ キャンバスも開発されるなど、時代とともに絶えずアップデートされてきた。アクリルキューブが積み重なった空間は、そうした変遷を博物館のように提示している。

展示風景より

編集部