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ルイ・ヴィトン「ビジョナリー・ジャーニー」展(大阪中之島美術館)開幕レポート。LV史上最大の展覧会で示す日本との深い関係【7/12ページ】

 会場中央に位置するのは、「モノグラム・キャンバスの歴史」と「モノグラム・キャンバス」セクションだ。言わずと知れたルイ・ヴィトンのアイデンティティであるモノグラムはジョルジュ ヴィトンがデザインを手がけており、LVイニシャル、ひし形の中の四弁花、それを反転させたもの、そして円の中の四弁花といった4つの異なるモチーフで構成されている。

「モノグラム・キャンバス」セクション

 そのデザイン起源は神秘に包まれているものの、アニエールに構えるヴィトン家の邸宅のキッチンにあしらわれたジアン社製の釉薬タイルやオフセット模様や四つ葉飾りが特徴的な15世紀の櫃といった中世の装飾品など、ガストン- ルイ ・ ヴィトンが蒐集したアイテムのなかに、そのインスピレーションとしての可能性をうかがわせるものもある。また、ジャポニスムの影響も指摘されている。例えば1889年にギメ東洋美術館に展示された11代将軍・徳川家斉のものとされる旅行用トランクを見てほしい。日本の武家の紋章である家紋で飾られたこのトランクは、ルイ・ヴィトンの製品と見間違えるほど、視覚的に類似している。

展示風景より、徳川家斉のものとされる旅行用トランク

 また本セクションでは、公的なデザイン登録を所蔵する機関であるパリ市立公文書館の移転作業と、それに伴う精緻な目録作成によって2021年に見つかったアイコニックなキャンバスのオリジナルサンプルが見つかったモノグラム ・ キャンバスの商標登録サンプルが初公開。いまなお世界を席巻するモノグラムの世界を、ダイナミックな動くインスタレーションを通してより深く知ることが可能だ。

展示風景より、モノグラム ・ キャンバスの商標登録サンプル(1897)

編集部