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「ピクチャレスク陶芸 アートを楽しむやきもの ―『民藝』から現代まで」(パナソニック汐留美術館)開幕レポート【5/7ページ】

 第5章は、わたしたちの生活にも身近な「うつわ」の世界。ここでは、イギリスやデンマークの作家を中心に、陶芸において重要な位置を占めるうつわの表現を紹介。ロイヤル・コペンハーゲンの製陶所での仕事から出発し、デンマークのモダニズムを牽引したアクセル・サルト(1889~1961)は、やきものと平面の仕事を並行して行った作家。代表的なとげのある造形と釉薬の具合が見どころとなる。

 また日本でも人気の高いルーシー・リー(1902〜1995)の《溶岩釉スパイラル文花瓶》(1978頃)は、晩年の代表的なスタイルの作品。ピンクやブルーなどの種々の色土の塊をロクロでひくことによりスパイラル模様を創り出している。表面に気泡を発生させる溶岩釉をまとう。

展示風景より、手前がルーシー・リー《溶岩釉スパイラル文花瓶》(1978頃)

 グイン・ハンセン・ピゴット(1935〜)による《白い信楽の道》(2012)は、モランディからの影響を強く感じさせる注目作だ。薄く釉薬がかかった白い磁器を複数並べることで、絵画的な構成を生み出している。

展示風景より、右がグイン・ハンセン・ピゴット《白い信楽の道》(2012)

編集部