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「メキシコへのまなざし」(埼玉県立近代美術館)開幕レポート。いかに日本人アーティストはメキシコ美術の「精神」に呼応したのか【4/4ページ】

 第3章「埼玉とメキシコ美術」では、埼玉県ならびに埼玉県立近代美術館がメキシコとどのような関係を取り結んできたのかを紹介している。

 埼玉県立近代美術館は開館当初からメキシコ美術を収集していたが、その理由に埼玉県とメキシコ州が1979年に姉妹提携を締結していること、そして初代館長の美術評論家・本間正義(1916〜2001)がメキシコへの造詣が深く、数々のメキシコ美術展を国内で開催してきたことが挙げられる。

展示風景より、左がルイス・ニシザワ《憂愁》(1997)

 ここではルフィーノ・タマヨや日系二世のルイス・ニシザワなどを紹介するとともに、埼玉においてメキシコ美術がどのように紹介されてきたのかを展示する。

第3章「埼玉とメキシコ美術」展示風景より

 1954年の「メキシコ美術展」が当時の日本の美術界に大きな影響を与えたことはよく知られているが、本展ではその受容が作家によっていかに異なり、どのような距離をもってメキシコと対峙したのかがわかりやすくひも解かれる。館のアイデンティティを再確認するとともに、現代の美術までつながっているメキシコからの道のりが見えてくる展覧会となっている。

編集部

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