鮮やかな色彩で絢爛華麗な花鳥画を数多く残した近代京都画壇の日本画家・石崎光瑤(いしざき・こうよう、1884~1947)。その東京では初となる回顧展が、日本橋高島屋S.C. 本館 8階ホールで開催される。
光瑤は富山生まれ。金沢で琳派を学び、その後京都に出て、竹内栖鳳に入門。インドを旅して熱帯の風物に触れ、代表作《燦雨》(さんう)をはじめ、花鳥や風景を濃密な描写で描き、画壇で注目を集めた。
また光瑤は、日本の古画を深く学び、自身の制作に活かしました。早くから伊藤若冲に関心を持ち、若冲の代表作を発見して世に紹介したことでも知られている。
本展は、生誕140年を記念して、光瑤の故郷にある南砺市立福光美術館のコレクションより、初期から晩年までの代表作や資料など約40件を公開するもの。《燦雨》のほか、若冲《動植綵絵》のうち「雪中鴛鴦図」などを想起させる《雪》、高さ約2.6mと光瑤作品でも異例の画面サイズを誇る《寂光》、1羽の雁で重点を作り配列のバランスを取った構図が見事な《隆冬》、横幅約1.6メートルの大画面に陶製の器に盛られた様々な種類の牡丹の花があふれる《聚芳》など、代表作の数々から光瑤の画業の全貌をたどる機会となる。