渋谷駅の岡本太郎《明日の神話》が大規模改修へ。クラウドファンディングも実施

渋谷駅のランドマークのひとつとして知られる岡本太郎の巨大壁画《明日の神話》の大規模改修が10月よりスタート。クラウドファンディングも実施する。

公開当時の渋谷駅の《明日の神話》

 渋谷駅のランドマークのひとつとして知られる岡本太郎の巨大壁画《明日の神話》。その大規模改修が、公益財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団と特定非営利活動法人明日の神話保全継承機構により、10月10日から実施される。 

 《明日の神話》は、岡本太郎がメキシコで制作した壁画作品。1969年に建設中のホテルに仮設置されたのちに行方がわからなくなっていたが、2003年9月にメキシコシティ郊外の資材置き場で発見。日本に移送し修復する「《明日の神話》再生プロジェクト」が立ち上がり、1年におよぶ修復作業を経て、2006年7月に初公開される。その後、2008年11月にはJR渋谷駅と渋谷マークシティや京王井の頭線の改札口を結ぶ通路に設置された。

 同作が渋谷駅に設置されてから15年が経過し、想定以上に傷みが進行しているという。本作を次の時代に残すための抜本的なメンテナンスが必要であることから、今年10月から複数年をかけて大規模な改修・修復を実施する。

《明日の神話》の痛みが進んでいる箇所
《明日の神話》の痛みが進んでいる箇所

 改修・修復の第1弾は10月10日より約40日間をかけて、右から4枚の亀裂・剥落・変色などの傷みを修復。さらに壁画裏の環境改善等の作業も行うという。作業エリア全面に足場を掛けて行う大規模な作業はこれまでにないもので、年に数枚ずつ順次仕上げていく予定だ。修復チームのリーダーは、修復家の吉村絵美留が務める。

 なお、本プロジェクトのためのクラウドファンディングも9月22日より開始。書籍『明日の神話1967-2023』特装版や、壁画裏面の銘板への名前の記載、《明日の神話》の部分レプリカなどがリターンとして用意される。

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