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ジャイアンツ:アリシア・キーズとスウィズ・ビーツ夫妻が紡ぐブラック・アートの物語

アリシア・キーズとスウィズ・ビーツ夫妻のディーン・コレクションによる展覧会「ジャイアンツ」が、アトランタのハイ・ミュージアムで開催中。夫妻が収集した1000点を超えるコレクションのなかから選りすぐられた約100点を通じ、黒人作家の多様な表現と、彼らの社会的・文化的背景に迫る。

文=國上直子 All photos courtesy of High Museum

展示風景より、ケヒンデ・ワイリーによるディーン夫妻の肖像画 Photo by Mike Jensen

 アリシア・キーズとカシーム・ディーン(スウィズ・ビーツ)夫妻が所有するアートコレクションをまとめた展覧会「ジャイアンツ:スウィズ・ビーツとアリシア・キーズのディーン・コレクションから」が、アトランタにあるハイ・ミュージアムで、2025年1月19日まで開催されている。音楽業界で成功を収めてきた彼らは、世界的なアートコレクターとしても知られ、近年は20世紀後半から21世紀に至る黒人作家のものを中心に数多くの美術品を収集している。本展は「ディーン・コレクション」と呼ばれるそのコレクション中から約100点を紹介するもので、彼らのコレクションが一般公開される初めての機会ともなっている。

 本展は巡回展であり、ハイ・ミュージアムでの開催は、今年前半のブルックリン美術館での開催に次ぐものだ。ニューヨーク出身の夫妻にとって、ブルックリンでの展示は「ホームカミング」としての側面があった。ハイ・ミュージアムは、黒人が人口の大半を占めるアトランタにおいて、1990年代からアフリカ系アメリカ人作家の紹介や支援に力を入れてきた美術館である。同館に支援を受けた作家が複数含まれている本展は、作家たちにとっての凱旋となる。

展示風景より、左からチャバララ・セルフ、エボニー・G・パターソン、ケネディ・ヤンコ、オディリ・ドナルド・オディタの作品 Photo by Mike Jensen

「ディーン・コレクション」の特徴と背景

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