「Everyday Enchantment 日常の再魔術化」(シャネル・ネクサス・ホール)開幕レポート。興味をかき立てる造形が提示する日常のなかの気づき【2/4ページ】

 ビアンカ・ボンディは1986年、ヨハネスブルグ生まれ。現在はパリに在住しており、おもに塩水を用いた化学反応を利用して作品を制作。生と死のサイクルに焦点を当てつつ、「物質の生命」に目を向けさせようとする作品を制作してきた。

展示風景より、ビアンカ・ボンディ《Ripple》(2024)

 本展でボンディは「Ebb(引き潮)」と名づけた、4つのタペストリーからなる作品群を展示している。本作は、太平洋の海底で電気を発する金属鉱床が酸素を生成している、という論文にインスピレーションを得てつくられたものだ。

展示風景より、ビアンカ・ボンディ「Ebb(引き潮)」シリーズ(2024)

 人間中心主義に異議を唱え続けてきたボンディは、無機的で無生物として認知されるはずの鉱床が、まるで植物のように生命を支える酸素をつくっているという論文の内容に感銘を受け、酸化して様々にその色彩を変化させる金属のようなタペストリーをつくりあげた。

展示風景より、ビアンカ・ボンディ「Ebb(引き潮)」シリーズ(2024)

編集部

Exhibition Ranking

束芋 そのあと

2024.10.04 - 11.15
ギャラリー小柳
丸の内 - 銀座|東京

モネ 睡蓮のとき

2024.10.04 - 2025.02.10
国立西洋美術館
上野 - 日暮里 - 秋葉原|東京