バンクシーの新作群を追う

グラフィティアーティストのバンクシーが、8月5日からロンドン市内で毎日1作品ずつを披露し続けて大きな話題となっている。それらが描かれる場所は市内全域に渡っており、高級住宅街からインダストリアルなエリアまで様々だ。果たして今回はどのような意図が秘められているのか。この間登場した作品を時系列で追う。

文・撮影=坂本みゆき

ウェストモー・ストリートのサイ

8月5日 Kew Road, TW9

キュー・ロードのヤギ。登場から約1週間が経ち、保護用のシートが貼られていた

 観光客にも人気の王立植物園キューガーデンズに程近い、ロンドン南西部のキューブリッジ南側にある建物の側面にステンシルによって描かれたヤギのグラフィティが突然現れた。バンクシーが自らのインスタグラムでも披露していたことから、自作と認めたかたちとなる。壁の突起部分のてっぺんに立つヤギの横には防犯カメラが備え付けられており、それにとらえられることなくグラフィティを仕上げ、してやったりとでも言いたげなバンクシーならではのユーモアを感じさせる。

 橋のたもとの数メートル離れた場所から眺めた限りでは黒っぽいインク一色使いで、バンクシーの作品のなかでは比較的シンプルな印象だ。この作品の意味や意図することなどの推測がSNSで数多く見受けられた。

8月6日 Edith Grove, SW10

エディス・グローブの象。バンクシーのグラフィティは保護のシートなしでは、すぐにいたずらをされてしまう。左側の象も白いペイントの縞模様を描かれてしまっていた

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