「LUMINE ART FAIR -My 1_st Collection vol.4-」開催レポート。初めてのアート作品購入をサポートするアートフェアが目指す未来【3/4ページ】

 空想の物語を綴り、そのファンタジーの世界を絵で表現する花梨は、今回初出展。アートフェア自体の参加が初めてであり、参加作家から大きく刺激を受けているという。

 「オープン前に、それぞれの作家さんのブースを周り、皆さんからコンセプトなどを説明していただくツアーが行われました。どうやってプレゼンテーションをしたらよいのかすごく勉強になりましたし、いろいろなジャンルの作家さんとつながりができる場なので、ステップアップできるきっかけにもなると感じています」(花梨)。

花梨の作品(一部)

 ディレクターを務める戸塚は、海外の作家にも参加してもらいたいと考えており、今年は台湾から2名が参加している。コーディネートを行ったのが、台湾で丸久藝術空間館を経営する姜均叡だ。

 「今回は、ペットとして飼っているうさぎと蛇を、自分が好きなデザートや和食と組み合わせて描く陶羽潔さんと、コンクリートとアクリルをメインの素材とする、張庭溦さんに参加していただきました。2人とも日本での展示が初めてなので、ルミネアートフェア運営メンバーにもサポートいただいて、参加作家の方や日本のお客さんとの交流の場としてもいいチャンスになるのではないかと思っています」(姜)。

会場の様子
会場の様子

 このフェアの特徴のひとつが、4名のコンシェルジュの存在だ。購入の方法や、作家の紹介、作品の説明から、家での飾り方の提案や購入後の保管方法の案内まで、来場者の購入を全面的にサポートする。商業施設であるルミネだからこその来場者への気配りだとも思えるが、初めてアートを購入する来場者にとっては、非常に心強い存在だ。

 「ギャラリーに入って、シーンとしていて挨拶もなかったりすると、お客さまにとって失礼ですし、アートに興味をもった人に対しても、購入へのハードルを上げてしまうと思うんです。作品の値段を聞くのもはばかられますよね。お客さまがわからない情報を提供するために、コンシェルジュの存在は非常に重要だと考えています。それと、私が1日2回の会場ツアーを行って、展示の説明や作家の紹介をしているのですが、そこに参加していただければ、気軽に作家さんと話してもいいんだということもわかり、初めてアートを買おうというお客さんのハードルも下がるはずです。とにかくはじめてのアートを購入するハードルを下げたいと思い、そのための工夫はできるだけしています」(戸塚)。