また、新宿駅に直結した商業施設で開催されているので、純粋に駅の利用客や、アパレルブランドのテナントや飲食店を目的に来た方が、ふと立ち寄りたくなるアートフェアを目指しているため、入場料は無料であり、開かれたアートフェアであることが最大の特徴となっている。2023年より3度目の参加となる都築まゆ美は次のように語る。
「普段のアートフェアやギャラリーだと、アート好きな方がアートを目的に来場されますが、このフェアはおしゃれな若いお客さんがとても多いと思います。初めてのアート作品の購入だというお客さんにも出会えて、そのあとにインスタグラムを見て展覧会に来てくださったり、次につながる出会いがあるフェアとしてもいい機会だと思っています」。

都築のように絵画を展示している作家もいれば、デジタル画像のレタッチ技術を駆使して都市風景からノイズを消し去り、「TOKYO NUDE」シリーズを展開する安藤瑠美のように写真作品を展示する作家もいる。あるいは、昭和の花柄の毛布を用いて立体作品を手がけ、2015年に第18回岡本太郎芸術賞で特別賞を受賞した江頭誠や、船大工の家に生まれ、実家の木の端材を用いて作品を手がけるEMUなど、立体作品を手がける作家も参加しているように、ジャンルも様々な作品が集まっている。そして、2023年より3度目の参加となる前田麦の「取説:operating instructions」シリーズは、絵とデザインの要素を取り入れた独自の作品だ。
「簡単に言うと、プロの小学生の教科書の落書きみたいな感じですね(笑)。国内外のいろいろなマニュアルを集めて、そこに落書きをすることで新たなストーリーを生み出すという手法で描いています。今日も初めて会ったお客さんに購入していただいたのですが、作品のコンセプトを説明したら面白がってくれて、自分がつくったEYE OF FIREというキャラクターを大きく描いた作品を選んでもらいました」(前田)。




















