ジャン=リュック・ゴダールの「思考」を歩く。最後の長編『イメージの本』から広がる“生きた上映”【4/4ページ】

 また、会場では、かつて王城ビルで営業していた純喫茶「喫茶王城」が期間限定で復活しており、展示との連動企画として渋谷PARCO内の「OIL by 美術手帖」ギャラリーでは、アラーニョが撮影したゴダールのプライベートな姿を捉えた写真展も同時開催されている。

展示風景より
展示風景より

 ゴダールの映画を一度も観たことがなくても、この展覧会は楽しめるのだろうか──その問いに対し、本展を企画したCCCアートラボの門司孝之はこう語る。

 「映画というのは、一度観ただけではわからないことも多いものです。むしろ、展示を通して何かに興味を持ち、そこから映画に触れていく。そうした往復によって理解が深まっていくと思います。直感的に入ってきたイメージが、時間を経て自分のなかでつながっていく。そんな体験が生まれることを願っています」。

展示風景より

編集部