ゴダール、渾身の最新作。絵画、映画、テキスト、音楽が巧みにコラージュされた『イメージの本』が公開

ヌーヴェルヴァーグの巨匠、ジャン=リュック・ゴダールの最新作『イメージの本』が2019年のゴールデンウィークよりシネスイッチ銀座ほか全国順次公開。本作は、2018年5月に開催されたカンヌ国際映画祭で、映画祭史上初めて、最高賞(パルムドール)を超える賞として特別に設けられた「スペシャル・パルムドール」を受賞している。

『イメージの本』イメージビジュアル

 『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』など数々の名作を世に送り出してきたヌーヴェルヴァーグの巨匠、ジャン=リュック・ゴダール。その『イメージの本』(原題:LE LIVRE D'IMAGE)が、ゴールデンウィークよりシネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショーされる。

 1930年フランス・パリに生まれ、88歳を迎えてなお、エネルギッシュに映画をつくり続けるゴダール。『イメージの本』は、「私たちに未来を語るのは“アーカイブ”である」と語るゴダールが、新撮シーンとこれまでに発表された絵画、映画、テキスト、音楽を巧みにコラージュし、現代の暴力、戦争、不和の世界に対する自身の怒りをのせ、この世界が向かおうとする未来を指し示す5章からなる。

 イメージビジュアルに使用されている印象的な手は、レオナルド・ダ・ヴィンチの《洗礼者聖ヨハネ》(1513-16)が引用されているなど、ゴダールと美術の関わりも解き明かされそうだ。

 昨年開催されたカンヌ国際映画祭で本作は、映画祭史上初めて、最高賞(パルムドール)を超える賞として特別に設けられた「スペシャル・パルムドール」を受賞。監督のみならずナレーションも本人が担当。前作『さらば、愛の言葉よ』(2014)では、3D技法で観客を驚かせたゴダールは、『イメージの本』でどのような映像世界を展開させるのか、公開を楽しみに待ちたい。

編集部

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