Miki “Trunk”
新設セクター「Miki “Trunk”」にも注目だ。このセクションは、写真やドローイング、版画など紙を媒体とする作品に特化したものだ。紙の持つ表現の幅に触れられるとともに、比較的購入しやすい価格帯の作品を提案する役割も持つ。
参加ギャラリーには、BANGKOK CITYCITY GALLERY(バンコク)、Revolver Galería(ブエノスアイレス、リマ)、John Szoke Gallery(ニューヨーク)などが名を連ねる。

BANGKOK CITYCITY GALLERYは、写真作品のみをブースで展開。アピチャッポン・ウィーラセタクンの写真とドローイングを組み合わせた作品をはじめ、ただ写真をプリントするだけでなく、そこにどのようなアクションを加えるのか、という試みが多く見られた。

またFabrik Projects(ロサンゼルス)はオーストラリアのアーティスト、ソニア・ペイズを紹介。自分の娘の顔を写真、マルチメディア、アニメーション、彫刻など多様な表現手法で変形させることで、人類の身体の行く先について考え続けるアーティストが投げかけるものは多い。
Tane “Seed”
「Tane “Seed”」はデジタルアートを専門に紹介するセクションで、NFT、映像、アニメーション、AR、VR、ゲームなどを扱っている。Chi-Wen / Double Square Gallery / Project Fulfill Art Space、TAEX、Takuro Someya Contemporary Artが参加。
Takuro Someya Contemporary Art は、黒川良一の作品《oscillating continuum》(2013)を出展。2つのディスプレイが、画面中央に走る赤い線でつながれ、波形と複雑な線状のパターンがノイズと共鳴しながら、生命のように出現と収束を繰り返す。
Sato 'Meadow'
また、会場内各所では、インスタレーションやパフォーマンスを展示する「Sato 'Meadow'」も展開。KOTARO NUKAGAが、保良雄の下水汚泥から回収した再生肥料を用いた作品《Garden》(2026)を、ロンドン拠点のTAEXがマリーナ・アブラモヴィッチの映像作品《Slow Walking》(2026)を展示するなど、来場者に刺激を与える作品が展示された。

Tokyo Gendai 2026は、海外の大型アートフェアと比べると規模は小さいながらも、無理なく回りきれるコンパクトな会場構成には利点もある。ギャラリストと出展作家について話し、作品とじっくりと対峙する。そんな落ち着いた方向性も、4年目を迎えたフェアからは見て取ることができた。横浜での開催はひと区切りとなり、東京で新たな展開を目指すTokyo Gendai。周辺のアート関連施設と連携しながら、より大規模なフェアを目指す可能性は高い。香港やソウルとは異なる体験を提案してきた横浜での4年間を上手く活かすことができるのか、注目したい。



















