フィリップスは、今年上半期(1月〜7月)の売上高で5億4270万ドル(約592億円)を達成した。これは新型コロナのパンデミック前である2019年同期比で25パーセント増という数字だ。
パブリックオークションの売上高は約4億5200万ドル(約493億円)で、プライベートセールは約9067万ドル(約99億円)。それぞれ19年同期比で15パーセントと107パーセント増となった。また、アジア拠点の顧客による売上高は全体の34パーセントを占めており、同社が今年全世界で開催したオークションの上位10ロットのうちの4ロットがアジアの顧客によって落札されている。
フィリップス香港で行われた春季オークションでは、4つのホワイトグローブセール(落札率100パーセントのセール)で9億4600万香港ドル(約133億円)を達成し、前年比で121パーセント増。奈良美智の《Missing in Action》(2000)は香港のオークションにて約1億2400万香港ドル(約17億円)で落札され、奈良のオークションにおける過去2番目の高額を記録した。
今年4月、フィリップスは同社史上初となるNFT作品の販売をスタート。カナダ人アーティストのMAD DOG JONESによる自動生成型のNFT作品《レプリケーター》は410万ドル(約4億4700万円)で落札され、カナダの現存アーティストとしての記録を更新している。
また、フィリップスが今年全世界で開催したオークションでは、ケヒンデ・ワイリーやキャサリン・バーンハート、エイブリー・シンガー、ジェニファー・グイディ、ヘルナン・バスなど数十人のアーティストのオークションレコードが更新。ロンドンとニューヨークで開催された、新進アーティストを中心に紹介する「New Now」セールも、それぞれ過去最高の売上高を記録した。
フィリップスのCEOエドワード・ドルマンと、グローバルチェアウーマンであるシャイアン・ウェストファルは声明文で、今回の結果は「フィリップスのすべてのプラットフォームで国際的な参加者を集め、パンデミック前の水準を上回る、まさに驚異的なものだった」としつつ、「新世代のアーティストたちには明らかなエネルギーがあり、今シーズンは、現代に重要な影響を与えている新進アーティストの記録が急上昇した」とコメントしている。