ゴッホの風景画が約16億円で落札。100年以上にわたり個人が秘蔵

フィンセント・ファン・ゴッホが1887年に制作した秘蔵の風景画が、3月25日にサザビーズとパリのオークションハウス「ミラボー・メルシエ」による共同セールに出品。予想落札価格を大幅に上回る約16億円で落札された。

フィンセント・ファン・ゴッホ Scène de rue à Montmartre(Impasse des Deux Frères et le Moulin à Poivre) 1887 出典=サザビーズのウェブサイトより

 フィンセント・ファン・ゴッホが1887年に制作し、これまで一度も一般公開されてこなかった「秘蔵の風景画」が、3月25日にサザビーズとパリのオークションハウス「ミラボー・メルシエ」による共同セールで競売にかけられた。

 《Scène de rue à Montmartre(Impasse des Deux Frères et le Moulin à Poivre)》と題されたこの作品は1887年の2月から3月にかけ描かれたもので、当時ゴッホが弟のテオともに住んでいたパリ・モンマルトルの街並みが描かれている。これまで同じフランスの家族内で100年以上にわたり所蔵されており、一般公開されたことは一度もなかった。

 ビッドは400万ユーロから始まり、開始1分半で当初の最高予想落札価格である800万ユーロを突破。10分以上の熾烈な競り合いの末、オンラインからの参加者が1309万1250ユーロ(約16億円)という高額で落札した。

フィンセント・ファン・ゴッホ《Scène de rue à Montmartre(Impasse des Deux Frères et le Moulin à Poivre) 》(1887)の裏側 出典=サザビーズのウェブサイトより

 本作について、サザビーズ・フランスの印象派・近代美術部門のシニア・ディレクターであるオーレリー・ヴァンドヴォルドとエティエンヌ・ヘルマンはオークション前のステートメントで、「(ゴッホの)モンマルトル時代の絵画で個人の手に渡っているものは非常に少なく、そのほとんどは現在、世界でもっとも権威のある美術館に所蔵されている。この象徴的なシリーズの絵画が市場に出回ることは、ゴッホのコレクターにとっても、また美術市場にとっても大きな出来事となることは間違いない」とコメントしていた。

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