1980年代のアメリカ美術を代表するアーティスト、キース・ヘリング。その個人コレクションからの一部の作品が、9月24日〜10月1日にサザビーズで開催されるオンライン・オークション「Dear Keith:Works from the Personal Collection of Keith Haring」に出品される。
キース・ヘリングは、1990年にHIV感染症で亡くなる前に、HIV・エイズ予防啓発運動継続のためのキース・へリング財団を設立。今回のオークションには、同財団が管理しているヘリングの個人コレクションから140点以上の作品やオブジェが出品される。
そのコレクションには、アンディ・ウォーホルやジャン=ミシェル・バスキア、ロイ・リキテンスタイン、ケニー・シャーフなど、同時代に活躍していたアーティストから寄贈された、あるいはキース・ヘリングが直接購入・取引した作品が含まれている。ウォーホルの《Portrait of Keith Haring and Juan DuBose》(予想落札価格:約2125万〜2656万円)やバスキアの《Untitled》(予想落札価格:約1062万〜1593万円)、リキテンスタインの《Forms in Space》(予想落札価格:約531万〜744万円)などが今回のオークションに登場予定だ。
サザビーズ・ニューヨークのコンテンポラリー・アート・オンライン・セールス部門長であるハリソン・テンザーは、今回のオークションについてこうコメントしている。「『Dear Keith』は、キースの生涯を通じて、そのユニークなビジョンにインスピレーションを受けたアーティストたちの多様なコミュニティにスポットライトを当てる。そのコレクションは、偉大なコレクターの財産が彼らの個人的な視点を覗く窓であるように、驚くほど自伝的なものだ」。
今年はヘリングの没後30年の節目の年。それを記念するため、今回のオークションによる収益は、ニューヨークのLGBTQコミュニティを支援する団体「ザ・センター」に寄付される予定だ。
キース・へリング財団の理事代理、ギル・バスケスは声明文でこう述べている。「財団として、創設者が深く関心を寄せていた多くの問題に一度の寄付で取り組むことができるのは珍しいこと。ザ・センターは、キースが目指していたものの多くを体現している。つまり、コミュニティ、エンパワーメント、そして私たちの未来である若者への支援だ。この時期にこうした目的のために寄付することは正しいことだと確信している」。