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出展者が新型コロナに感染。アートフェア「TEFAFマーストリヒト」が急遽閉幕

出展者が新型コロナウイルスに感染したため、3月7日〜15日に開催を予定されていたオランダのアートフェア「TEFAFマーストリヒト」が、11日19時をもって急遽閉幕した。

TEFAFマーストリヒト2020の様子 Courtesy of TEFAF

 オランダのアートフェア「TEFAFマーストリヒト」が、出展者のひとりが新型コロナウイルスに感染したことを発表。3月7日〜15日に開催を予定されていた同フェアだか、11日19時をもって急遽閉幕した。

 「The Art Newspaper」によると、この男性出展者はイタリアの美術商で、3月5日(VIPプレビュー)〜7日にフェアに参加。フェアでは何の症状も示さず、8日にはマーストリヒトを出発。9日に地元でコロナウイルスの検査を受けて陽性反応を示したという。

 同フェアが連絡をとった地元の保健当局(VRZL/GGD)によると、この出展者は、フェアで症状を示していなかったため、来場者やフェアの関係者には健康上のリスクを与えていないという。また、GGDの責任者であるフランク・クラーセンは、「出展者はTEFAF滞在中に伝染性がなかった」と述べている。

TEFAFマーストリヒト2020の様子 Courtesy of TEFAF

 開催中止の理由について、同フェアは声明文でこうコメントしている。「近隣諸国の保健指導は変わっていないが、オランダや近隣諸国の状況が変化していることは理解できる。また、出展者、来場者、スタッフの関心が高まっていることや、旅行や輸送に関する困難が増大していることも考慮に入れた」。

 同フェアの理事会議長であるナーン・デッキンは、「マーストリヒト周辺地域における最近の情勢の展開や懸念の高まりを考慮すると、我々はもはや計画通り継続することは適切ではないと考える」としつつ、「フェアの出展者、来場者、スタッフの皆様には、この前例のない状況に対する信頼と支援に感謝する」とコメント。

 マーストリヒト市長のアンネマリー・ペンテ・ストレイクは、「私はこの決定を支持し尊重する。我々は、出身国や私たちを取り巻く地域の状況によって、不安が高まっていることを理解しており、この懸念に対する関心があるのは正しいことだ」と付け加えた。

TEFAFマーストリヒト2020の様子 Courtesy of TEFAF

 1988年に設立されたTEFAFは、現在「TEFAFマーストリヒト」「TEFAFニューヨーク・スプリング」「TEFAFニューヨーク・フォール」といった3つのフェアを運営しており、古代から現代までの美術品や装飾品、デザインなどを取り扱っている。今回の中止は、同フェア史上初めてだ。

 なお、今年2月に入ってからは、「アート・バーゼル香港2020」、「アート・セントラル」、「アート・ドバイ」、「アートフェア東京2020」や、「ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2020」、「北アルプス国際芸術祭2020」など国内外のアートフェアや芸術祭は相次ぎ開催中止・延期を発表。新型コロナウイルスの拡大がアート界への影響は、今後も続くことが予想される。

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