2020.2.7

香港のフェア「アートセントラル」も開催中止。新型コロナウイルスの影響が拡大

新型コロナウイルスの拡大が原因で、3月18日〜22日に香港で開催予定だったアートフェア「アートセントラル」が、開催中止を発表した。同時期に開催予定だったフェスティバル「ギャラリー・ウィークエンド北京」や開館を予定した美術館も中止および延期を決定した。

アートセントラル香港 (C) Jacquie Manning

 新型コロナウイルスの拡大が理由で、今年の開催中止を発表したアジア最大のアートフェア「アート・バーゼル香港2020」。それに次ぎ、3月18日〜22日に香港で開催予定だったアートフェア「アートセントラル」も開催中止を決定した。

 中止の理由として、同フェアは「公衆の安全と福祉を保証することがますます困難になっている」としている。

 「香港アートマンス」のメインイベントのひとつである同フェアでは、前回で3万7000人以上の来場者が訪れていた。今年は、80以上のギャラリーが参加する予定であり、パブリックアートやトーク、パフォーマンスなどのプログラムも開催する予定されていた。

 同フェアの広報担当者は、「『アートセントラル2020』を中止する決定は、決して容易なことではなかった。しかし、このような状況のなか、ギャラリーの皆様にイベントの成功を保証することは困難」とコメント。「この困難な時期に、香港を世界的に有名なアートハブにすることに貢献してきたギャラリーやアーティストとともに、私たちは香港を支持したい」と表明している。

 いっぽう、アートフェアだけでなく、3月13日〜20日に北京の798芸術区で開催予定だった、ガレリア・コンティニュアやBoers-Li Galleryなど23のギャラリーや、ユーレンス現代美術センターなどの美術機関が参加するフェスティバル「ギャラリー・ウィークエンド北京」も先日、「状況に応じて開催延期もしくは中止する」と発表した。

 また、3月17日に北京に、3月21日に広東省仏山市に開館を予定したプライベート・ミュージアム「X美術館」と「和美術館」も開館の延期を決定した。

 2月7日の時点で中国本土では3万1000人以上の感染者が確認され、日本やアメリカ、ヨーロッパなどにも蔓延している新型コロナウイルスがアート界への影響は、今後も続くことが予想される。