新型コロナウイルスの影響で、3月に予定されていた香港アートフェア「アート・バーゼル香港2020」や「アートセントラル」、そして日本国内の「アートフェア東京2020」や「ART in PARK HOTEL TOKYO 2020」が相次ぎ開催中止・延期を発表。拡大する新型コロナに対し、東アジア圏以外のアートフェアはどう対応するのか?
中東
2007年に設立され、今年で第14回となるアラビア半島最大級のアートフェア「アート・ドバイ」。昨年は約40ヶ国から90のギャラリーが参加し、2万8000人以上の来場者を集めた。
同フェアは、3月25日〜28日の開催予定だったが、新型コロナへの懸念を理由に延期を発表。開催時期はまだ明らかになっていない。
メイン会場での開催が延期になったものの、同フェアは同じ会期で地元のアートシーンに焦点を当てた一連のプログラムを実施することを決定している。
ヨーロッパ
20ヶ国以上での感染が確認されており、パリのルーヴル美術館をはじめ、数多くの美術館・博物館が休館しているヨーロッパの状況はどうだろうか。
3月7日〜15日にオランダ・マーストリヒトで開催予定のアートフェア「TEFAFマーストリヒト」は予定通り開催される。
今年で33回目の開催を迎える同フェアには、275のギャラリーが参加する予定。同フェアは3月1日の声明文でこうコメントしている。「地域および国の保健当局と協力し、TEFAFは現在進行中の(新型コロナウイルスの)感染の状況を毎日綿密に監視しており、今後も監視を続ける予定だ。地方と国の当局の評価を受け、本日(2020年3月1日)、フェアが責任を持って進めることができるという確認を再度受け取った」。
またマーストリヒト市長、リンブルフ州知事、同フェアの会場である「MECCマーストリヒト」のマネージング・ディレクターは、TEFAFの理事会にフェアの継続を推奨するレターを送付。次のように開催決行を求めている。「RIVM(国立公衆衛生・環境研究所)も(南リンブルフ州の)セキュリティ部門も、現時点でTEFAFを中止する理由を示していない。(中略)現時点では、オランダでの(国際的な)イベントを中止するような指令は出されていない。地域に感染が出た場合、人々は観察されるが、中止の理由にはならない」。
アメリカ
ニューヨークでは、「アーモリー・ショー」「Art on Paper」「Clio」「SCOPE」(いずれも3月5日〜8日)などのアートフェアは、開催を決行する。
新型コロナの拡大について、アーモリー・ショーは2月25日の声明文で、「アメリカの保健当局は、ニューヨーク市を含むアメリカ全域では依然として(新型コロナウイルス感染の)リスクが低いと指摘し、定期的な手洗いなど、通常のインフルエンザシーズンの予防策を勧めている」とコメント。
また、アメリカの疾病予防管理センター(CDC)は3月3日に更新した「コロナウイルス感染症2019(COVID-19)状況の概要」で、「現時点では、このウイルスに曝露される可能性が低いと考えられるアメリカ国民の大部分にとって、COVID-19による即時の健康リスクは低いと考えられる」と指摘している。