椹木野衣「東日本大震災三部作」完結を記念。新刊『末世の芸術』を読み解くイベントが4月29日に開催へ

東京・神保町の神保町expressionで、美術批評家・椹木野衣の「東日本大震災三部作」完結を記念したイベント「椹木野衣『末世の芸術』を聴く、読む ―Session1―」が4月29日に開催される。

手前から椹木野衣『末世の芸術 来たるべき無人類のために』(2025)、『震美術論』(2017)、『後美術論』(2015)。いずれも美術出版社

 東京・神保町の神保町expressionで、「椹木野衣『末世の芸術』を聴く、読む ―Session1―」が4月29日に開催される。

 椹木野衣は1962年埼玉県秩父市生まれ。同志社大学で哲学を学び、在学中は軽音楽部に所属した。主な著書に『増補シミュレーショニズム』(ちくま学芸文庫、2001)、『日本・現代・美術』(ちくま学芸文庫、1998)、『「爆心地」の芸術』(晶文社、2002)、『アウトサイダー・アート入門』(幻冬舎新書、2015)、『戦争と万博』(講談社学術文庫、2025)、『後美術論』(美術出版社、2015)、『震美術論』(美術出版社、2017)ほか。共編著に『戦争と美術 1937-1945』(国書刊行会、2016)、責任編集に『日本美術全集 第19巻 拡大する戦後美術』(小学館、2015)など。手掛けた展覧会に「アノーマリー」展(レントゲン藝術研究所、1992)、「日本ゼロ年」展(水戸芸術館、1999)、「平成美術 うたかたと瓦礫(デブリ) 1989-2019」展(京都市美術館、2021)、「楳図かずお大美術展」(監修、森アーツセンターギャラリーほか、2022)などがある。

 同イベントは、椹木による『末世の芸術 来たるべき無人類のために』(美術出版社、2025)が刊行されたことを受け、『後美術論』『震美術論』を含む「東日本大震災三部作」が完結したことを記念するものだ。当日は、椹木本人が選曲した『末世の芸術』の背景に流れる音楽を聴きながら、著者とともに同著を読み解き、語りあう講座となる。「Session1」と題した今回は、同著より「第3章 岡崎京子 エッジとしての日常」(408頁~430頁:全23頁)を抜粋し、深く掘り下げていく。

椹木野衣コメント

僕のすべての著作には、根底に音楽が流れています。絵や作品は図版で載せることができるけれども、音楽はそういうわけにいきません。だから今回は、音楽を聴くのに抜群の環境で、僕の「東日本大震災三部作」を「読む」だけでなく「聴いて」みたいのです。
(中略)
その意味で今回の「Session」も、いわゆる「講義」のようなものではなく、ジャズ、それもフリージャズ、もっと言えばフリー・インプロヴィゼーションのように行いたいのです。ということは、うまくいく可能性もあるけれども、大失敗の恐れもあるということです。もしかすると、とんでもない脱線になるかもしれない。
(中略)
今回も、もしもこれがよくあるレクチャーやシンポジウム、トークだったとしたら、引き受けていなかったと思います。でも、引き受けたのは、これが僕にとって一度は取り戻さなければならない原点でもあったからです。いまはただ、成功を祈るばかりです。

(イベントページより一部抜粋)

編集部

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