国際交流基金は5月9日に開幕する「第61回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展」の日本館展示「草の赤ちゃん、月の赤ちゃん」(作家:荒川ナッシュ医、共同キュレーター:⾼橋瑞⽊(CHAT紡織⽂化芸術館館⻑兼チーフ・キュレーター)、堀川理沙(シンガポール国⽴美術館シニア・キュレーター兼キュレトリアル&コレクション部⾨部⻑))の展覧会ロゴおよび展示詳細を発表した。

荒川ナッシュ医は1977年福島県生まれ。現在はロサンゼルスを拠点に活動するクィア・パフォーマンス作家で、テート・モダン(ロンドン)やMoMA(ニューヨーク)など世界各地の美術館で作品を発表してきた。2024年には東京・国立新美術館で大規模な個展を開催した。
タイトル「草の赤ちゃん、月の赤ちゃん」は、日本館の建築を手がけた吉阪隆正が提唱した庭と建物の「回遊性」に由来する。庭を象徴する「草」と、時間や心に関わる「月」を組み合わせ、さらに荒川ナッシュがニューヨークでの学生時代に影響を受けた草月アートセンターへのオマージュでもある。展覧会ロゴは、グラフィックデザイナーの森大志郎と小池俊起が共同でデザインした。

来館者はまず、ミラーレンズのサングラスをかけ、色とりどりのベビー服を着た様々な肌の色の赤ちゃん人形200体に迎えられる。本展は、来館者が赤ちゃんをケアしながら多彩なコラボレーターの作品を鑑賞する、観客参加型の作品だ。
1階のピロティエリアでは57体の人形が来館者を待つ。希望者は生後3〜4ヶ月の乳児と同程度の重さ(約5キロ)の人形を預かり、抱きながら展示を巡ることで、「重みを通じた身体感覚を伴う体験」をする。人形たちのベビー服は、荒川ナッシュ医の母親である荒川美和子と福島の友人たちが手縫いで仕立てたもので、作家自身の家族の物語が展示に織り込まれている。

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