東京藝術大学大学美術館で3月26日より開催される「大吉原展」。本展のウェブサイトや広報資料について、文化の発信地としての性格のみが取り上げられており、人身売買や女性の性商品化といった遊廓の負の側面に触れられていないと批判が寄せられていた。
これを受けて、東京藝術大学、東京新聞、テレビ朝日からなる主催は2月8日に展覧会主旨を説明する文面を発表した。
本文によると「本展のテーマである『吉原』という場所は、江戸時代に幕府公認のもとで作られました。この空間はそもそも芸能の空間でしたが、売買春が行われていたことは事実です」と負の側面を確認するとともに、本展の展示の方向性について次のように説明している。「本展がテーマとする、花魁を中心とした遊廓『吉原』は、前借金の返済にしばられ、自由意志でやめることのできない遊女たちが支えたものであり、これは人権侵害・女性虐待にほかならず、許されない制度です。本展では、決して繰り返してはならない女性差別の負の歴史をふまえて展示してまいります」。
説明された内容が実際の展示にどのように反映されているのか注視したい。